- 東海基礎株式会社 ホーム
- 事業内容
- ウェルポイント工法について
ウェルポイント工法について
ウェルポイント工事とは、ウェルポイントという長さ70cm外径50mmのストレーナー濾過網をもった(右図参照)吸水管に、φ1.5インチ長さ5.5m~7mの吸水管(Riserpipe)を取り付けたものを地盤中に多数打ち込んで小さな井戸のカーテンを作りWell Pointポンプで強力に地下水を吸収低下させ、必要な区域の地下水を揚水し地下水位を低下させると同時に、さらに経済的な軟弱地盤の改良工法として広く普及されております。
ウェルポイント工事の目的は地下水面以下の掘削工事に於て従来の工法で困難を伴う土質に適用され、経済性、安定性、能率性を高度に発揮するものであります。
ウェルポイント工法の特徴
- 地下水位の低下
ドライワークによる土木工事の容易(水圧、土圧の軽減)からくる土留工事の簡素化、安全、工期の短縮、ひいては工事費の軽減 - 土の剪断強度増加
切取(掘削)、盛土法面の安定と、掘削底面の地盤強化 - 圧密有効圧の増加
浮力の減少による地盤強度の増加 - 負圧の減少
軟弱地盤改良の圧密促進強化
ウェルポイント工法は、地下水位の低下や土の安定性を増し、工事中はドライワークで仕事を仕上げる事ができますので、従来のような危険も除外でき、確実に又経済的に工事を仕上げる事が出来ます。
ウェルポイント工法の工事
これは、ある大型商業施設建設の際の現場風景です。
こちらを例に、ウェルポイント工法について解りやすく解説いたします。
概要
一般的に建築構造物を構築する際、基礎がしっかりしていないと、昨今頻発している地震等の発生にも伴い、当然倒壊の恐れがあります。その様なリスクを避けるために、地中より基礎工事を行う必要性が生じます。
対象の現場は、豊富な水脈を持つ地域性から地表-60cm程度に地下水が自然水位としてあり、到底そのままでは建築ができないため、事前に水位を低下させる必要がありました。そこで、ウェルポイント工法のスペシャリストとして実績のある当社にご依頼をいただきました。計画に準じ、建物の大きさや深度を事前に認識し、施工検討計画を行います。どこまでの深さを掘るか、必要最低限どこまで水位を低下させれば良いのか、全て計算から必要な機械や稼働日数を含め、工程・費用を算出します。
計画準備をする中で、おおよその水を排水量を予測し、必要な数量、打設間隔、稼働日数等含め、何がどの程度必要なのか?それに応じた養生、様々な条件を踏まえ、算出した上で施工を開始します。
こちらは機械の設置が完了し、既に稼働している状況です。
画像中央のオレンジ系の直管パイプは、ヘッダーパイプと呼称される本管で、躯体(建築物)の周囲を囲っており、広範囲にわたり外周の背面に設置されています。そのヘッダーパイプに均一間隔で繋り、地面に打込まれている細いパイプは、「ライザーパイプ」(吸水管)と呼ばれ、地面から水を吸い上げるいわばストローのような役割を果たします。
水を抜く範囲が広い程、ライザーパイプの本数は多くなり、打設間隔も近接します。湧く水に対して、汲む量が勝らずには地下水の低下は期待できないのは言うまでも有りません。
ウェルポイント工法を施した事で、常水位-60cmの地下水がここまで低下しました。ウェルポイント工法は、機械が24時間稼働しており、必要工事が完了するまで常に対象井戸内の揚水を行います。
ウェルポイント工法使用の掘削現場では、以下の悪条件を回避・抑制します。
- 開削部側面からの土砂流出や地山の崩壊
- 床付け面の乱れ
- 不等沈下などによる施工能率の悪化
「施工の安全」はもちろん、「工期の安定」「品質の確立」「労務時間の短縮」にも繫がり、安全な現場作りが可能となりますので、ウェルポイント工法による地盤の安定・工事の効率化は、最終的には「工事費の削減」が実現可能となるのです。
ウェルポイント工法は建物の建築時だけではなく、防火水槽、貯留水槽、雨水貯留槽、また大型テーマパーク、病院等にはゲリラ豪雨に対応すべく、水害に備えた、貯水槽建設や、大型雨水槽などの建設工事にと数多くの設置に用いられ役立っています。
ウェルポイント・ディープウエル工法は地下水を強制的に排水することによる地下水位の低下処理と合わせて、被圧地下水の処理、地盤の安定、地下水の侵入防止に効果を発揮します。
地下水の揚水の様子です。
ウェルポイント工法による揚水量は土質分類によって地域差があります。適応範囲は一般に極微流砂から中流砂の範囲が適応範囲と考えられます。揚水直後の地下水は、無色透明で綺麗です。工事が終了し、稼働を停止した後は、地下水の流動は施工以前の状態に戻り、地中に残留物などのストレスを残さず、地域環境の通常の常水位(自然水位)に復元されます。
ウェルポイント工法は、深度2.0m~7.0m程度までの水を吸い上げる事に適応しています。
それ以上の深度から吸い上げる場合は、「ディープウエル工法」での基礎工事となります。